クラフトビールと聞いて多くの人が思い浮かべる、あの「ガツンとくる苦味」と「華やかな香り」。その代表的なビアスタイルこそが「IPA」です。クラフトビールの中でも圧倒的な人気を誇り、その強烈な個性に魅了される人が後を絶ちません。
この記事では、IPAがどのようなビールなのか、どのように選べば良いのか、そしておすすめの銘柄をご紹介します。
IPAビールとは
IPAとは「インディア・ペールエール(India Pale Ale)」の略称で、ホップを大量に使用して造られるビアスタイルです。分類上は、上面発酵酵母で発酵させる「エールビール」の一種にあたります。
その発祥は18世紀のイギリス。当時、植民地だったインドへビールを輸送する際、長い航海による品質劣化を防ぐため、防腐作用のある「ホップ」を大量に投入し、アルコール度数を高めたのが始まりです。「インドへ運ぶペールエール」という意味でこの名が付きました。
IPAの最大の特徴は、ホップ由来の「強烈な苦味」と「華やかな香り」です。グラスに注ぐと、グレープフルーツなどの柑橘系や、マンゴーのようなトロピカルフルーツ系、時には若葉やハーブを思わせる鮮烈な香りが立ち上ります。
また高めのアルコール度数によるしっかりとした飲みごたえが魅力です。色合いはゴールドからオレンジがかった濃い金色が一般的です。
IPAビールの選び方:3つのポイント
多様な魅力を持つIPAビールの中から、自分好みの一本を見つけるために注目すべき「3つのポイント」を解説します。
1. スタイル(種類)で選ぶ
IPAには非常に多くの派生スタイルがあり、選ぶスタイルによって味わいが大きく異なります。まずは代表的なスタイルを知ることから始めましょう。
| アメリカンIPA | 現在のIPAの主流。アメリカ産ホップを使い、柑橘系やトロピカル系の華やかな香りと、クリーンで強い苦味が特徴です。 |
| ヘイジーIPA (Hazy IPA) | 濁った(Hazy)外観が特徴。苦味を抑え、ホップのフルーティーな香りを極限まで引き出した、ジュースのような味わいが人気です。初心者にもおすすめです。 |
| ダブルIPA (インペリアルIPA) | 通常のIPAよりさらに多くのホップと麦芽を使用。アルコール度数が高く、苦味も香りも非常にパワフルで濃厚な飲みごたえです。 |
| セッションIPA | アルコール度数を低め(5%前後)に抑え、IPAの特徴であるホップの香りや苦味を楽しみつつ、何杯でも飲める(Session)ようにしたスタイルです。 |
| イングリッシュIPA | IPAの原型。イギリス産ホップによる、ハーブや紅茶のような落ち着いた香りと、麦芽の風味が感じられるバランスタイプです。 |
2. 苦味の強さ(IBU)で選ぶ
IPAの苦味の強さを知る目安として「IBU(国際苦味単位)」という数値があります。日本の一般的なビール(ピルスナー)がIBU15〜20程度なのに対し、IPAは50を超えるものが多く、中には100に達するものもあります。
数値が高いほど苦味が強い傾向にありますが、麦芽の甘みとのバランスによって実際の感じ方は変わります。まずはIBUが中程度のものから試し、自分の好みの苦味を探してみるのが良いでしょう。
3. 好みの香り(ホップの種類)や合わせる料理で選ぶ
IPAの個性的な香りは「ホップ」の種類によって決まります。「シトラ(Citra)」ホップなら強い柑橘系、「モザイク(Mosaic)」ホップならトロピカルフルーツ系といった特徴があります。ラベルに記載されているホップの種類や香りの説明(例:「柑橘系の香り」「トロピカル」)を参考にするのも一つの方法です。
また、IPAは食事との相性も抜群です。その強い苦味と香りは、スパイシーな料理(カレー、エスニック料理)や、脂の多い肉料理(ステーキ、ハンバーガー、唐揚げ)**と非常によく合います。合わせたい料理からIPAを選ぶのもおすすめです。
IPAビール おすすめの人気18選
おすすめのIPAビールを18商品をご紹介します。
1位 インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)
2位 GOOSE IPA(GOOSE ISLAND)
3位 PUNK IPA(BREWDOG)
4位 Stone IPA(STONE BREWING Co.)
5位 COEDO 毬花 -Marihana-
6位 MINOH BEER W-IPA(箕面ビール)
7位 東京IPA(Far Yeast Brewing)
8位 FLYING IPA(エチゴビール)
9位 有頂天エイリアンズ(ヤッホーブルーイング)
10位 志賀高原IPA
11位 グースアイランド ダックダック グースセッションIPA
12位 雷電カンヌキIPA(オラホビール)
13位 スルガベイ インペリアル IPA(ベアードビール)
14位 J-CRAFT HOPPING ジューシーIPA(三菱食品)
15位 青島IPA
16位 モレッティ・ビール IPA(モンテ物産)
17位 75BEER IPA(オリオンビール)
18位 帝国IPA(ベアードビール)
結論
今回ご紹介したように、「IPA」には、その歴史的背景から生まれた多種多様なスタイルが存在します。
「苦味が強そう」と敬遠していた方も、今回ご紹介した「ヘイジーIPA」や「セッションIPA」など、苦味が控えめでフルーティーなスタイルからぜひ挑戦してみてください。
ぜひ本記事を参考に、スタイルごとの特徴、苦味の強さ(IBU)、ホップがもたらす香りの違いに注目し、ご自身の好みの味わいや、お気に入りの料理とのペアリングを見つけてみてください。
奥深いIPAの世界を探索する旅は、きっと新たなビールの楽しみ方へとつながるはずです。


