イタリアと聞いて、あなたが真っ先に思い浮かべるのは何でしょうか? ヴィンテージワイン、あるいは香ばしい香りが心地よいエスプレッソかもしれません。そんな中、ビール愛好家たちの間で人気を誇っているのがイタリアを代表する「モレッティ(Birra Moretti)」です。
日本国内のイタリアビールシェアNo.1を誇り、世界40カ国以上で愛されるこのビールには、160年以上の歴史があります。なぜ数あるビールの中でモレッティだけがこれほどまでに人気なのか、モレッティについて徹底解説します。
なぜ「モレッティ」は人気なのか?
クラフトビールブームが定着し、多種多様な銘柄が手に入る現代。その中でモレッティが選ばれ続ける理由は「圧倒的なクオリティ」と「日常に溶け込む親しみやすさ」の共存にあります。
モレッティの実力は、数字と評価が証明しています。2006年、世界で最も権威ある「ワールド・ビール・カップ」において、イタリアのビールメーカーとして唯一、金メダルと銀メダルを同時に受賞。さらに、食の専門家が審査する「iTi(国際味覚審査機構)」でも最高栄誉に輝くなど、その品質は世界中のから完璧と称賛されています。
しかし、モレッティの本当の魅力は、そうした権威だけではありません。「食事を主役へと押し上げる名脇役であり、同時に一杯で完結する主役でもある」という圧倒的なクオリティからです。心まで満たすビールは、イタリア流の豊かなライフスタイルを象徴する一本にもなっております。
家飲みの楽しみとして、国内ブランドだけでなく海外のビールを選ぶ方が増えています。海外ビールは国産ビールとは異なる個性的な味わいがあり、さまざまな味を求めるビールファンにおすすめです。ラベルデザインにも特別感があり、ギフトとしても人気があり[…]
160年の歴史とラベルに隠されたブランドの想い
モレッティ(正式名称:ビッラ・モレッティ)の物語は、1859年、イタリア北東部の街ウディネで幕を開けました。創業者のルイジ・モレッティは、地元の伝統的な食文化に敬意を払い、「誰もが毎日楽しめる、最高品質のビール」を目指しました。
アルコール度数は4.6%。日本の一般的なビールに近く、スッと体に馴染む軽やかさがありながら、イタリアの麦芽の濃度の高い強さが感じられます。
モレッティを象徴するのが、ラベルに描かれた「緑のスーツに身を包んだ、髭の紳士」です。彼は架空の人物でも、創業家の人でもありません。当時の社長が街のバーで見かけた、実在の人物なのです。
その紳士があまりに美味しそうに、そして誇り高くビールを飲む姿に惚れ込んだ社長が「写真を撮らせてほしい」と頼んだところ、彼は 「ビールをもう1杯持ってきてくれ。それだけで十分だ」と答えました。この気取らない、けれど確かな満足感が、モレッティの味でもあり、今も大切にしているブランド精神です。
こだわりがもたらす「美味しさの根拠」
なぜ、モレッティはこれほどまでに飲みやすく、かつ奥深いのでしょうか。その秘密は、素材と製法の「調和」にあります。
丁寧に焙煎された最高級の麦芽は、ビールに美しい黄金の色彩だけでなく、口に含んだ時の「ふくよかな厚み」を与え、ダブルデコクション製法により麦汁を煮沸する工程を繰り返すことで、麦本来の甘みとコクを最大限に引き出します。これが、ただ「軽い」だけで終わらない、モレッティ特有の満足感の正体です。
さらにウディネの軟らかい水を使用することで、ホップの苦味が角を落とし、シルクのような滑らかな口当たりを実現しています。
実飲レビュー
ここからは、私が実際にモレッティを飲んだ感想をお伝えします。
【見た目】グラスの中に広がる綺麗な輝き
注がれる液体は、グラスの向こう側が透き通って見えるほど清澄な、輝く黄金色です。泡立ちもきめ細かく、ふんわりと盛り上がる泡で非常にクリーミーです。
【香り】鼻腔をくすぐる上品な香り
グラスに顔を近づけた瞬間、清潔感のある香りを感じます。瑞々しい上品な香りがふわりと立ち上ります。続いてパンのような香ばしい麦の香りが重なり、飲む前から喉ごしを感じるような芳醇さです。
【味わい】何層もの味のグラデーション
飲んだ瞬間は穏やかで、刺激や苦味が少なく、滑らかに感じられるのです。そのあとモレッティの真骨頂でもある重厚な麦の甘みがじんわりと膨らみます。そしてさらにそれを追いかけるように、ホップの上質な苦味が全体をキュッと引き締めてくれました。何度も味を楽しめて、炭酸も強すぎず、喉を通る感触はどこまでも上品な一口です。
モレッティのペアリング
モレッティは、あらゆる料理に寄り添う「最高のパートナー」です。ここでは、おすすめの組み合わせを紹介します。
焼きたてのマルゲリータ・ピザ
トマトソースのフレッシュな酸味と、とろけるモッツァレラチーズのコク。そこにモレッティの爽快なキレが加わることで、料理の味をいつでも新鮮な表情にしてくれます。
生ハムのサラダ
イタリア・フリウリ州の特産でもある生ハムは、強い塩気と脂をモレッティのふくよかな味わいが優しく包み込みます。また青野菜特有のほろ苦さと、ビールのホップの苦味が同調も大人の楽しみです。
鶏の唐揚げ
揚げ物の油っぽさを、モレッティの細かな炭酸とキレのある後味がリセットしてくれます。日本で人気な理由も居酒屋の濃い料理を「洗い流す力」が高いレベルで備わっているからです。
結論
モレッティは、160年以上の伝統に裏打ちされた確かな品質、そして「髭の紳士」が愛した変わらぬ味わいを感じられます。イタリアの「優雅さ」が忙しかった一日を洗い流し、今この瞬間を楽しむことを思い出させてくれます。
毎日頑張っている自分への最高のご褒美に。あるいは、大切な人と囲む食卓をより華やかに彩るために。 今夜は、冷蔵庫でキンキンに冷やしたモレッティにより、特別な時間へと変わります。