近年、コンビニやスーパーでも手軽に手に入るようになり、急速に人気を集めているクラフトビール。その種類は非常に豊富で、個性的な味わいと豊かな香りが魅力です。
「種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」「普通のビールと何が違うの？」と感じている方も多いでしょう。
この記事では、クラフトビールに詳しくない方から、すでに関心がある方まで、幅広い読者に向けて、その定義、歴史、味わいの特徴、そして自分好みの1本を見つけるための具体的な選び方とおすすめの銘柄をご紹介します。
クラフトビールとは
クラフトビールとは、「つくり手たちの革新性から生まれた多様な味わいのビール」であり、「小規模な醸造所が造る個性的なビール」を指します。
英語の「クラフト（craft）」は「技術」「工芸」「職人技」を意味し、クラフトビールは、大手ビール会社が量産する工業的なビールとは対照的に、醸造士（ブルワー）が品質と独自性を重視し、丹精込めて手塩にかけて造るビールです。
クラフトビールの最大の魅力は、その味わいの多様性であり、世界150種類以上が存在すると言われています。
基本的な原材料は「モルト（麦芽）」「ホップ」「水」「酵母」の4つですが、これらの組み合わせや製造工程、そしてときには柚子やラズベリー、オレンジピールやコリアンダーなどの副原料を加えることで、無限に近いバリエーションが生まれます。
クラフトビールの選び方：3つのポイント
多様なクラフトビールの中から自分好みの一本を見つけるためには、いくつかの重要なポイントに注目しましょう。
発酵方法とビアスタイルで選ぶ
クラフトビールは、まず大きく「ラガー」か「エール」かで飲み口が異なります。
1. 爽快なのどごしを求めるなら「ラガー」系 日本の大手ビールに多いピルスナーはラガーに分類され、キレとすっきりとしたのどごしが特徴です。普段ビールを飲み慣れている方や、食事と合わせたい方におすすめです。
2. 香りや複雑な味わいを求めるなら「エール」系 フルーティーで深い味わいが特徴で、じっくりと時間をかけて楽しみたい方に向いています。特に初心者には、ホップの香りが華やかなペールエールや、苦味が少なくバナナのような香りの白ビールが飲みやすいと推奨されています。
ビアスタイルには150以上の種類がありますが、ビール専門家による「8つのカテゴリ」分類（ラガービール、エールビール、白ビール、琥珀色ビール、黒ビール、フルーツビール、長熟・高比重系ビール、個性派ビール）を参考にすると選びやすくなります。
好みの香りと苦味のバランスで選ぶ
クラフトビールは、ホップや麦芽由来の香りや苦味が個性を形作ります。自分が普段好むお酒の種類や、苦味への耐性から選ぶと失敗が少ないでしょう。
• フルーティな香りが好き/苦味が苦手な方： 柑橘系の香りが特徴のペールエールや、苦味がほとんどなくバナナやクローブのような香りがするヴァイツェン、オレンジピールやコリアンダーを使用したベルジャンホワイト、または果実の甘みと酸味を楽しめるフルーツビールがおすすめです。
• 強い苦味と鮮烈な香りが好きな方： ホップを大量に使った「IPA」がぴったりです。パンチのある苦味や柑橘系の爽やかな香りを楽しめます。
• コーヒーやスイーツのような香ばしさが好きな方： 濃色の麦芽を使った黒ビール（スタウト、ポーター、シュバルツ）がおすすめです。コーヒーやチョコレート、ナッツのような豊潤な香りとコクが特徴です。
おつまみや料理とのペアリングで選ぶ
クラフトビールは、料理との組み合わせ（フードペアリング）でより一層楽しめます
• デリケートな和食やさっぱりしたもの：ラガービール（ピルスナーなど）が、繊細な味わいを邪魔せずによく合います。
• クリーム系の料理や魚介類：口当たりが滑らかな白ビールが適しています。
• ローストした肉やソーセージ、味の濃い料理：香ばしさのある琥珀色ビール（アルト）や、コーヒーやチョコのような風味を持つ黒ビール、または味の濃さに負けない濃厚な長熟・高比重系ビールが相性抜群です。
• 甘じょっぱい料理やグリル：柑橘の香りがするペールエールがおすすめです。
クラフトビール おすすめランキングTOP20
おすすめのクラフトビールを18商品をご紹介します。
1位 よなよなエール
2位 インドの青鬼
3位 SPRING VALLEY
4位 水曜日のネコ
5位 ベアレン醸造所 クラシック
6位 スワンレイクビール
7位 松江地ビール ヴァイツェン
8位 ヒューガルデン ホワイト
9位 COEDO 毬花 -Marihana-
10位 宮崎ひでじビール 九州CRAFT 日向夏
11位 富士桜高原麦酒 ラオホ
12位 那須高原ビール
13位 銀河高原ビール 小麦のビール
14位 Far Yeast 東京ホワイト
15位 田沢湖ビール アルト
16位 僕ビール君ビール
17位 黄桜 京都麦酒
18位 エチゴビール エレガントブロンド
結論
クラフトビールは、単なる飲み物ではなく、醸造士たちの情熱と創造性が詰まった、まさに「職人技の芸術作品」です。その魅力は、世界に150種類以上あるビアスタイルが生み出す、香り、味わい、色合いの千差万別の個性にあります。
多様なクラフトビールの楽しみ方は人それぞれです。グラスに注いで香りや色を楽しんだり、おつまみとのペアリングで新たな味わいを発見したり。専門店で注ぎたてのビールを味わう、あるいはビアフェスのようなイベントでビール好きの仲間と乾杯するのも格別です。
きっと、あなたにぴったりの「最高にビールがうまい時間」が見つかるはずです。
